鉄の不思議2〜エレガヌーヴォ〜
釉薬の秘密
奇抜な色の数々。しかし、不思議と見入ってしまう
質感がある色たち。
弊社、釉薬開発部門、若尾化学の資料室にある、
数百点にも及ぶ釉薬テストピースのボードの中から、
一際目立つこちらを抜粋してみました。
一枚一枚、色も質感も違っていますが、
実はすべて
鉄
の発色試験のピースです。
赤色、オレンジ色、黄茶色、黒色
様々な釉薬成分と鉄の組み合わせによって、
言うなれば、
無限
の発色があります。
無限ということは?
極端に表現すると
ちょっとした環境の違いで
赤にも黒にもなりう
るということ。
色の均一感を求められるタイル製品。
従って、鉄の顔料その物を用いることは、
難しいとされており、加工された顔料と
併用し安定感のある発色を目指します。
弊社商品の中で
鉄が本来持つ発色に近いものは?
エレガヌーヴォ 08番
鉄の分量控えて発色
陶芸の世界の言葉を借りれば、
いわゆる
黄瀬戸釉
エレガヌーヴォ 02番
鉄の分量多めで発色
いわゆる
天目釉
エレガヌーヴォ 10番
ほんのわずかの鉄を添加するころにより
白色にクリーミー感を与えている。
野うさぎの冬毛のような斑のある白釉
いわゆる
兎の斑(うのふ)釉
写真上
プリセラIPボーダーW IP-930W
鉄赤に目に鮮やかに発色する結晶釉
いわゆる
朱天目釉
写真下
プリセラIPボーダーW IP-940W
黄瀬戸釉と天目釉の中間色てきな色
懐かしさを感じる色
いわゆる
飴釉
鉄の釉薬が
古き良き伝統色と現代デザインとの融合を
かもしだしてます。
写真左は、鉄分の入った土を焼いたタイル
写真右は、鉄分の入った土に釉薬を掛け焼いたタイル
鉄は、タイルの焼き方によっても、
釉薬の調合によっても
大きな変化を及ぼす原料です。
身近の日常に、また私たちの体中にも
存在するものです。
釉薬開発者達は、まさにその日常に隠れている
魅力を探し、日々研究を繰り返しているわけです。
鉄の魅力、感じていただけましたでしょうか?
次回は、釉薬部門若尾化学に
もっと深く、潜入して、皆さんが
日常生活で見ないようなモノ、事を紹介できたら
と思います。
若尾 幸裕
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事は私が書きました!
