調合室 白衣の天使1
釉薬の秘密
いよいよ、日東製陶所の心臓部、若尾化学に潜入してみした。
釉薬の調合室
料理で例えるなら、レシピの考案場です。
一子相伝・門外不出、ってわけではありませんが、
そんな雰囲気も漂ってきます!
机の上には、素材、調味料といえるもの凄い数の原料が用意されてます。
何種類もの原料の重さを、計測機とスプーンを使って、
息を殺して正確に量ります。
(緊張感がハンパない)
次に測り終えた原料を水と一緒に混ぜます。
原料は石を粉砕したものなので、
液体にするため、さらに細かく擦る必要があります。
陶芸家、御愛用の乳鉢と乳棒です。
硬い物を細か~く擦るすり鉢です。
匠っぽい感じはカッコいいですが、
このすり鉢で、一日、何百パターンの試験数はこなせません。
かずをこなす場合は試験ポットを使います。
えっ、そのまんまの名前って?
見た目、骨つぼ
まぁ、私には、それなりに愛着もあって、可愛らしくみえますが・・・
ちなみに中には、アルミナボールという
硬い球がはいっていて、これがあるから、
少量の原料も細かい粉砕が可能です。
栓をして、専用機械でクルクルまわします。
もう、簡単すぎ!
そして、ここが重要!
最後に
白衣の天使たちが(白衣の天使じゃないと無理なんです!)
丁寧に液体を取り出し、調整して、出来上がり
あれ?袋にはいった釉薬たちは、みんな同じ色の液体?
しかし、見た目は同じでも、焼き上げると、不思議な事に
一つ一つ発色が違ってきます。
ざっとご紹介しましたが、
実は全ての作業は繊細で繊細で、
とても神経を使うものです。
例えば、原料の性質だったり、
その時の気温だったり、
試験ポットを回す時間によっても、
発色が変わってきます
何度も何度も調整して、狙いの色を探しあてるのです。
時には、途方もない作業になることも。
そこには匠の技があり、
そして、釉薬は生き物なんだと思います。
タイルって奥が深い!
次回の秘密は、今回の匠たちの技をクローズアップしていきます。
だって、白衣の天使、気になったでしょ?
若尾 幸裕